父が個人事業主として経営していた介護タクシー事業を相続できるか?
通常、相続が発生しますと、故人(被相続人という)の所有していた財産は、相続放棄等の事由がない限りは、相続人が相続することになります(後述ご参照)。
しかし、被相続人が個人事業として経営していた一般乗用旅客自動車運送事業(介護タクシー事業)においては、相続が発生したからといって、その運送事業の権利は、相続人に承継することにはなりません。
株式会社などの法人の場合は、代表者が死亡した場合は、新代表者を選任し、その届出をすれば足りますが、個人経営者の場合は、相続がからみますので面倒です。
つまり、法人の場合は、法人に対して許可をしたのであり、その法人の内部の人が変わっても法人は変わらないためです。
しかし、その法人が別の法人に一般乗用旅客自動車運送事業を譲渡した場合は、許可した法人が別の法人に変わりますので、その場合は譲渡譲受の認可申請が必要になります。
それに対して被相続人の経営していた一般乗用旅客自動車運送事業は、その被相続人に対して許可をしているため、被相続人の死亡により許可していた人が変わることにますので、相続人が一般乗用旅客自動車運送事業を承継するためには、認可申請の手続きが必要になります。
また、相続人が2人以上と複数いる場合において、遺産分割協議などにより誰が一般乗用旅客自動車運送事業を相続するか定めた場合は、その者が認可申請をすることが必要になります。
以上のことから、相続人が被相続人の経営していた一般乗用旅客自動車運送事業を引き続き経営しようとする場合は、忘れずに認可申請を行うことが必要です。
相続については、次をご参照ください。
相続とは?
人が死亡しますと、その故人が所有していた財産は、遺言書がない限りは、相続人が相続することになります。
下記のとおり、相続人できる範囲として、被相続人(亡くなった人)の配偶者や故人の子である直系卑属(長男、次男、長女など)が相続します。
但し、第1順位の直系卑属が誰もいない場合は、故人の親などの直系尊属(父母等)が第2順位として相続し、第2順位が誰もいなければ、故人の兄弟姉妹が第3順位として相続することになります。
整理しますと、次のとおりです。表と照らし合わせると分かりやすいでしょう。
第1順位 直系卑属(被相続人の子)が相続
↓ 直系卑属がいない、又は全員相続放棄した
第2順位 直系尊属(被相続人の父母、父母がいない場合祖父母、・・・)
↓ 直系存続がいない、又は全員相続放棄した
第3順位 被相続人の兄弟姉妹、兄弟姉妹がいない場合、甥・姪に。
※配偶者は常に相続人となります。
相続について、詳しくはこちら。⇒ 相続手続き代行サポート大阪
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