介護タクシー事業の開業の前に検討しておくこと
道路運送法第4条の介護タクシー事業(一般乗用旅客自動車運送事業)の許可申請においては、開業資金(自己資金)が十分であるか審査されます。
自己資金がないと、許可になりませんので、自己資金が十分であるか検討しておきましょう。 開業にあたり、人件費、車の購入、車庫や営業所で使用する建物の賃料、任意保険料などの経費が発生しますので、見積書等を入手し、その結果、経費にかかる合計額を上回る一定以上の開業資金(自己資金)をもっていない場合は許可できないということになります。
経費を計上する項目としては、各地方運輸局で提出書類となる所定の様式が用意されていますが、大まかには分けて、以下のとおりです。
「所要資金額」と「事業開始当初に要する資金」に計上する勘定項目 ①車両費 ②土地費 ③建物費 ④機械器具及び什器備品費(日常点検等に必要な工具など) ⑤運転資金(2ヶ月分の人件費、燃料油脂費、修繕費等) ⑥保険料及び租税公課(自賠責保険、自動車重量税等) ⑦その他(看板、広告宣伝費、車体ペイント代等開業に要する費用) ①~⑦の必要な経費の合計額の イ「所要資金の50%以上」、かつ、ロ「事業開始当初に要する資金の100%以上」 ↓ を上回る自己資金が、申請日以降、常時確保されていること。 |
勘定項目のうち、①車両費や⑥保険料及び租税公課(自賠責保険、自動車重量税等)は、申請後に車を納入の場合は、お見積書、②土地費、③建物費は賃貸の場合は、賃貸借契約書(賃料が記載)が提出書類として必要になりますので、大まかな推測で勝手に費用を決めることができません。
また、運転資金(2ヶ月分の人件費)は、各都道府県で定められた最低賃金がありますので、それを上回る賃金を確定する必要があります。
事業者様によりかかる費用がまちまちですので、一慨には言えませんが、一般的に初期投資費用として、一番多く占めるのが、車両購入費、賃料、人件費ではないでしょうか。
以下、一般的な例示を記載していますので、資金計画を立てる際にご参考にしてください。
<車両1台で始める場合の参考例>
項 目 | 事業開始に要する資金 | 備考 |
---|---|---|
車両費 | 軽自動車(新車):160万円 | 重量税、自賠責等の税金を含む |
建物費 | 13万円 | 建物賃貸料 |
土地費 | 3万円 | 車庫代 |
人件費 | 50万円 | 運転者、運行管理者の2人分(2か月分 |
任意保険料 | 10万円 | 事業用の任意保険加入が必要 |
登録免許税 | 3万円 | 許可後に納付します。 |
任意保険料 | 10万円 | 事業用の任意保険加入が必要 |
その他運転資金 | 60万円 | ガソリン代、法定福利厚生費、修繕費、旅費、備品・消耗品費、水道・光熱費、広告宣伝費、創業費等 |
合計312万円 |
以上のように、経費が計算して合計312万円の場合は、それを上回る自己資金をご用意頂くのがよろしいかと思います。
自己資金の証明は、銀行発行の預金残高証明書で確認が行われますので、申請後にすぐに預金を引き出したことにより、自己資金が経費を下回ったということにならないよう要注意です。
特に、既存法人のように、既に運営されている場合は毎月の給与や家賃等の経費などで増減することが予測される場合は、自己資金を多めに用意しておくほうがよいです。
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