介護タクシー事業の許可を経るまでの所要時間と手続きの流れ

介護タクシー事業の開業するまでどれぐらい時間がかかるのでしょうか?誰もが気になるところであり、開業スケジュールを立てる意味でも知ってっておきたいところです。

ほとんどの方は、初めて手続きを行うわけですので、そこは、スムーズにいかないことが多く、半年、または1年以上かかってしまったいうことをよくお聞きしております。

ただし、1つだけ、時間が分かっていることは、「書類を提出してから、許可まで2か月」と決められています。
※「書類を提出してから、許可まで2か月」とは、後記の手続きの流れでいえば、②から⑤までの期間にあたります。

ただし、初めて手続きを行う場合は、補正等(後記手続きの流れでは④審査開始)を受けることが多いので2か月で許可が下りることはあまり考えられません。2か月半以上かかるのではと思います。

時間がかかる要因として、次のケースが考えられます。

①車庫、営業所や自動車等の確保に時間がかかってしまった。

②法令試験に1回で通らず、再試験を受けた。

③申請したが、車庫や営業所が許可要件に該当せず、不許可になり、再度、申請することになった。

④申請後、自己資金不足が判明し、再度、申請することになった。

⑤申請後、補正指示を受けたが、補正書類の提出に相当時間がかかってしまった。

など

開業までの手続きの流れは、次のとおりです。

①申請書類の準備
・申請書類及び審査基準等の公示を運輸局のHPから取り寄せ
・営業所、車庫等の確保
・営業所、車庫等の寸法測定・写真撮影
・道路幅員証明書の取得
・申請書類の作成
など

  ↓

②管轄の運輸支局に書類の申請
・経営許可申請書
・運賃認可申請書
など

  ↓

③法令試験
・管轄の本局で受験します。
※不合格の場合、翌月に再試験となります。

  ↓

④審査開始
・管運輸局から申請書類に関するヒアリングや補正の指示があった場合は、それに対応しなければなりません。
※補正で解消できない場合は、いったん取り下げて、再度申請するよう促す場合があります。

  ↓

⑤許  可
・管運輸局から申請書類に関するヒアリングや補正の指示があった場合は、それに対応しなければなりません。
※補正解消できない場合やミスが多く亜R場合は、いったん取り下げて、再度申請するよう促す場合があります。
※許可までの期間は、申請から2か月半以上。補正等がある場合は期間が伸びます。

  ↓

⑥許可の開業準備
・登録免許税3万円納付
・車両の登録、自賠責保険への加入
・規定で定められた事業所名等の車両側面の表示と看板の設置などの開業準備
・営業所、車庫、車両等の写真撮影など

⑦事業開始
※上記⑥の事業開始に必要な準備が終了した上で事業開始できます。

  ↓

⑧運輸開始届
事業開始後、速やかに営業所や車両等の写真や必要な書類をそろえ運輸開始届をします。
※運輸開始届により、介護タクシーの手続きは終了です。

訪問介護事業者や居宅介護事業者は、>訪問介護員等の自家用有償許可申請を行うことができます。
※行う場合は、上記⑧の運輸開始届と同日以降に行います。運輸開始届前の申請は不可です。

以上

第5回:車庫の確保

介護タクシー事業の許可要件の1つとして、絶対に押さえておかなければものとして、車両を駐車させる車庫があります。

①車庫の広さ

車庫に、事業用自動車を駐車し、自動車と車庫の境界線との間に前後左右50センチメートルの間隔を開けておくことが要件となります。

自家用自動車の場合は、車庫証明において、50センチメートルの要件はありませんが、事業用自動車の場合は、点検等を要しますので、50センチメートルの広さを求めています。

車庫の確保にあたって、街中の白線引きの駐車場を借りる場合は、自動車の大きさによっては、広さが足りない場合がありますので、注意が必要です。

軽自動車でなく、セダン型またはステーションワゴンなどの普通自動車の場合は、広さが足りないことがよく見受けられます。

2台分借りるか、あるいは、白線を拡張してもらうよう大家さんと交渉するしかありません。難しい場合は、その場合は、諦めて別の場所を探すしかありません。

②車庫の前面道路>

「車庫の広さに該当した、大家さんと契約しよう」と早まらないでください。

車庫の出入りする前面道路の状況の確認が必要です。

車庫の前面道路が、国道以外の県道、市道、あるいは私道などの場合は、「車庫の道路幅員証明書」が必要になります。

許可申請は、書類で判断しますので、この証明書がないと許可が取れませんので、証明書が取れるか否かにかかってきます。/p>

道路幅員証明書は、通常は、県、市などで発行してもらいます。

ただし、政令指定都市の場合は、道路幅員証明書の発行は行っていないことがあり、その場合は、自分で道路の寸法を測定し、自己宣誓書という形の書面を作成します。

問題は、私道に該当した場合です。この場合は、その私道の所有者が誰か自分で調査し、所有者に、事業用自動車が通ることになるが、許可してほしいという証明書が必要になります。

所有者が複数人いる場合は、複数人の許可が必要になりますので、場合によっては、事業用の自動車が通られるのはいやだと断られる場合があります。

また、道路の幅員が、極端に狭く転回にも支障がある場合は、避けておくのがよいです。

以上から、前面道路を確認していないのに、車庫の広さが十分だからといって、急いで契約をしないようにしましょう、